特別区では、区民の利便性を高めるため、行政のデジタル化を推進しています。
ICT職は、ICTに関する知識やデータを活用した政策立案のほか、各種システムの導入・管理等を行い、特別区のデジタル化を支えます。
ICT利活用の推進・企画、デジタル広報、ベンダー・関係各課との調整、ネットワーク・情報基盤システムの導入・管理・運営、サイバーセキュリティ対策、ICTに関するプロジェクトマネジメントなど、多岐にわたります。
行政が抱えるさまざまな課題を、所管部署とICT職がともに協力して解決していく部署横断プロジェクトが、特別区でもますます盛んになっています。
ICTの力をどのように活用しているのでしょうか。実際のプロジェクトを見ていきましょう。
行政手続のオンライン化（目黒区）
▲目黒区LINE公式アカウントのメニュー画面
区民の利便性と区職員の業務効率化の向上へ
目黒区役所には行政手続が約1,500種あり、区民が申請のために窓口を訪れなければならない場面も多くあります。こういった場面において、DX戦略課では、ICTツールを活用した業務効率化や新たなサービスの検討・導入、システム標準化の統括などにより、行政手続のオンライン化を進め、オンライン申請が可能な手続を増やす取組みを行っています。行政手続のオンライン化を実現させることで、区民の利便性向上と、区職員のさらなる業務効率化の達成をめざしています。
ICT職
目黒区情報政策推進部
DX戦略課
(平成26年度採用)
各部署と調整しながら、必要不可欠なオンライン化を実現していく
行政手続のオンライン化の方向性の策定や、オンライン申請のためのサービスの検討・受付フォームの作成をしています。具体的には、担当部署と連絡・調整して使用するサービスをはじめに決め、受付フォームを作成した後、テスト申請を担当部署とともに実施して、受付を開始するという一連の業務です。自分が作成・設定した受付フォームに、無事に申請第一号が来た時はとても嬉しく、その後も継続して使われることにやりがいを感じています。 また、兼務で新型コロナワクチン接種業務に従事した際には、ワクチン接種関連の事務で受付フォームを作成し、区のワクチン接種業務の円滑な運用に貢献できました。行政手続のオンライン化は、区民の利便性向上はもちろん、区役所の業務効率化にも役立つ点に大きな意義を感じています。
未来の後輩たちへ
区役所の業務は今後一層デジタル化が進むことが予想され、ICT職として活躍できるフィールドも増えると思います。特別区の仕事は、人の暮らしに近いことが魅力であり、先進的な取組みも多数あります。皆さんの知識・技術を特別区という場で生かしませんか。
板橋区民まつり内企画展のデータ分析（板橋区）
AIを活用した来場者分析から、よりニーズに合った企画立案を
令和4年10月に開催した区最大のイベントである「板橋区民まつり」の目玉企画のひとつ「絵本のまち企画展」において、人流データ等を収集・分析し、事業計画の立案や効果検証を実施しました。AIカメラシステムを活用し、来場者数や性年代別の属性情報を取得し、企画展のターゲットである親子世代の参加状況を把握。アンケートも実施し、広報効果および企画の満足度などを分析しました。客観的なデータをもとに区民ニーズを捉え、区が推進する事業の改善や新たなサービス企画立案につなげています。
ICT職
板橋区政策経営部
IT推進課 DX戦略係
(平成24年度採用)
所管部署が抱える課題を、ICTの力を用いてともに解決
これまでも各部署でデータ収集し分析を行ってはいましたが、数値やグラフを見るにとどまり、事業の改善に結び付けることが十分にできていませんでした。この事業開始時にも、業務所管部署から「イベントの参加者実績や満足度を計測し、次の企画に生かしたい」との声がありました。そこで、4部署が連携して実施した本取組みの中で、私はデータ分析に関する事業計画を策定し、進行管理を行いました。事業実施前に業務課題を改善するための仮説を立て、その検証に必要なデータを逆算し、取得。データ分析し、業務所管部署に対してフィードバックすることで、将来の事業改善案へと結びつきました。取組みの結果が目に見える形になることが多いため、手応えの得られる仕事だと思います。
未来の後輩たちへ
多岐にわたる区役所業務において、フローの作成、システム操作・活用スキルなど、ICT職をめざす方の知識や経験が活かされる場面は多く、業務を通して自身の知識の幅を広げることもできます。また、ワークライフバランスを大切にでき、前向きに働ける環境です。
