現場で働く福祉職、保健師を支え
高齢者の心に寄り添う対応を心がけています。
文京区 福祉部高齢福祉課
係長
(平成18年度採用)
1年目:区民部(現アカデミー推進部)アカデミー推進課 → 4年目:総務部職員課(東京大学産学連携本部派遣)主事 → 6年目:区民部経済課主任 → 14年目:総務部税務課係長

01仕事内容

正解がひとつとは限らない、
高齢者対応の後方支援

高齢者の相談、ケースワークの進行管理をはじめ、高齢者の虐待防止や権利擁護に向けた支援、特別養護老人ホームの入所希望者名簿作成などに従事しています。
高齢者のケースワークは、相手に合わせた柔軟な対応が求められ、必ずしも正解がひとつとは限りません。現場に立つ職員も対応に迷い、判断に悩む場面が多々あります。だからこそ、職員の相談を聞いて共感するとともに、他部署の職員や高齢者の親族の方にも携わってもらうなど幅広い視点でアドバイスを心がけています。高齢者ご本人の意思を尊重し、健康状態や経済的な事情なども考慮しながら、最適な方法が見つかるようにサポートしています。

また、認知症の患者数は増加傾向にあり、その対応も求められています。たとえば、認知症が疑われる高齢者がひとり歩きをして、警察に保護されることがあります。警察で保護できるのは 24 時間と限られており、ご家族や知人が見つからない場合は、公の機関として区が対応します。過去に、身元がわからない高齢者の方を保護した際、手がかりがなくて悩みましたが、翌日になってご家族が見つかり、心の底から安堵しました。ご家族も懸命に捜索されていたとうかがい、再会時に感謝いただいたことが心に残っています。

他にも、高齢者世帯における家庭内暴力や、単身高齢者の介護サービス拒否などさまざまな事例がありますが、区として、介護事業所や地域包括支援センターなど、地域で連携しながら高齢者の方が安心して暮らせるように尽力しています。

02仕事のやりがい

相手が求めるものは何かを考え、
解決策を提案する

区民部経済課で、商店街や中小企業を支援する業務を担当していた際、商店街の街路灯のLED 化事業補助の利用が進まず、商店街での LED 化が滞っていました。そこで、商店街の方々の心に響くものは何かを考え、区内すべての商店街の電気代を時系列で一覧にまとめ、 LED の導入効果を数字で示してお伝えしたところ、助成申請が格段に増えて実績を積むことができました。数年後、偶然お会いした商店街の方から「あの時は LED 化を勧めてくれてありがとう」とお褒めの言葉をいただき、とても励みになりました。

印象に残っている仕事

区民が主体となって、
社会課題の解決に取り組む

大学派遣を終えた後、東京大学との共同研究として、社会起業家を育成するプログラムを企画しました。導入編は座学形式で、実践編は受講生のアイディアをプロジェクトとして実行しました。国の助成金申請や事業者選定のプロポーザルなど準備は大変でしたが、受講生をサポートする仕事はやりがいがあり、学生時代に思い描いていた「住民が主体となって、社会課題を解決すること」を具現化できました。
いま振り返ると、当時の上司の方々が後押ししてくれたからこそ実現できたのだと思います。その経験をふまえ、現在は係長として、職員を陰ながら支えることを意識しています。

02昇任のきっかけ

子どもの成長に合わせて
ステップアップ

主任選考を受けた時は独身だったので、自由に時間を使って、地方自治法など択一問題の勉強や論文対策をしました。主任から係長職へは推薦制なので、日々の業務への取り組み方が問われます。子どもが生まれてからは、限られた時間で質の高い仕事をするように努め、子どもの成長に合わせて働き方を工夫しました。その後、自分も職員の成長を後押しするような存在になりたいと考え、係長職へ昇任しました。特別区はさまざまな制度があるので、家庭と両立しながらステップアップができます。

MESSAGE

特別区の仕事は、一見地味かもしれませんが、重要な役割を担っており、みなさんの想像以上にいろいろな業務があります。異動になると、まったく経験のない新しい業務をゼロからスタートすることも多々あります。そこに新たな気づきや学びがあり、それが自分を大きく成長させてくれます。 研修制度も充実しており、先輩や同僚に相談できる環境が整っているので、思い切ってチャレンジできます。特別区で働きたい方はもちろん、迷っている方もぜひ挑戦してほしいです。