PROJECT 01 すずらんスマイルプロジェクト[豊島区]

MEMBER

  • 事務局

    男女平等推進センター
    令和2年度採用
  • 情報発信チーム

    区民部税務課
    令和4年度採用
  • 連携促進チーム

    福祉部自立支援担当課
    令和3年度採用
  • 調査研究チーム

    都市整備部都市計画課
    平成27年度採用
  • 応援団

    教育部学校施設課
    令和2年度採用
  • ※令和7年12月現在

コロナ禍で浮き彫りになった若年女性の不安や孤独
「なんとなく生きづらい」を「たしかな支援」につなげる。

コロナ禍で増加した、10代~20代の若年女性の孤立や貧困、性暴力被害などに着目し、そうした女性たちが抱える問題を早期発見、スピード感を持って支援につなげていくことを目的に発足した「すずらんスマイルプロジェクト」。さまざまな部署から集まった約70名の職員が、人材育成、情報発信、連携促進、調査研究、応援団の5つのチームで、学校や企業、支援団体と連携しながら、生理用品の無料配布や若者の居場所の創出、ターゲットに届けるための情報発信、職員のスキルアップなど幅広い活動に取り組んでいます。

貧困、孤独・孤立、暴力や性被害…問題を抱える
若年女性をさまざまな形でサポート

自治体初の取組みとして、生理用品の無償配布を実現できたことが、初めの大きな一歩になりました。それがきっかけで、区内の小中学校に生理用品が常備されるようになり、区施設の生理用ナプキンの無料提供ディスペンサーの設置にも発展しました。
情報発信チームは、ホームページやSNSで「相談窓口いってみた」など、当事者世代に親近感をもって安心してきてもらえるような情報発信に力をいれています。また、チームメンバーの誰もがどの作業でもできるように、担当をシャッフルしてチームで助け合って活動を進めています。
連携促進チームは、企業との連携はもちろん、昨今は大学や高校との連携に力を入れています。相談窓口の周知に必要な視点を得るために実施したイベントでは、大学生・高校生からSNSやVlog動画の活用術など、若者ならではのフレッシュなアイデアをいただきました。
プロジェクトの活動の根拠となる、若年女性への支援がなぜ必要なのか、どういった支援ができるのか、小さな気づきから理解してもらうための資料づくりやデータ収集が調査研究チームの主な活動です。管理職中心のチームですが、カジュアルな話し合いを通して、さまざまな発見があります。
男性職員で構成された応援団では、若年女性への支援問題を、男だからわからない、関係ない、ではなく、男性目線でどのような支援がしていけるか、どのような働きかけが効果的かを模索しながら活動を進めています。男子高校の文化祭にも参加し、男子学生を中心に来訪者に妊婦体験をしてもらいました。
私は、事務局として、各チームの皆さんが業務と両立しながら円滑に活動できるようにサポートをしています。従来の縦割り的組織ではなく、部長級と一般職員がフラットに同じ目線で活動するのが、このプロジェクトのいいところだと感じています。

業務とは別の全庁横断活動で
人との繋がりが生まれ、視野が広がった。

活動に参加することで、業務だけではできないことが、たくさん経験できたと感じています。部署や職種を超えて共に活動するチームメンバーの知識や力を借り、自分の業務に生かすこともあります。
さまざまな部署、職種、キャリアの方々の声を聞いて、考えが広く深くなり、人生観が変わりました。生きづらさを抱える女の子を支援することで、行政職員としての視野もグッと広がります。
私は特に男性が多い職場にいるのもあり、ジェンダー視点を意識して物事を考えるようになりました。女性目線のアイデアを取り入れることで、誰にとっても、もっと暮らしやすい社会になるのでは?
若年女性の支援は、男性が男性に問題意識を訴える、周知することが大事。女性の生きづらさについて、男性が理解を深め、声を上げることに、男性参加の意義を感じます。
男性が活動に加わったことで、男子校との連携がやりやすくなりました。男子校で周知活動をする、という男性ならではの発想でアプローチでき、活動の幅が広がりました。

現場を肌で体感しながら
支援活動でやりたかったことを実現

「法律ができるまで待って」と言わずに、目の前にいる人の問題に向き合い、今あるもので手を差し伸べる。入区してやりたかったことが、今、まさに業務以外のすずらんの活動で実現できていることにとてもやりがいを感じています。
国際女性デーイベントの際に「娘が学校で生理用品をもらえて助かりました」と区民の方にお声がけいただいた時は、活動がみなさんの助けになっていると実感できて嬉しかったです。
一見、元気で悩み事なんてないように見える方でも生きづらさを抱えていることもあるし、今は元気でも落ち込むこともあると思うので、そういうときにこのプロジェクトを思い出してもらえたらいいなと思いながら活動しています。
国際女性デーに開催した「ミモザで伝える ありがとう」イベントでは、ミモザをデザインしたカードに感謝を伝えたい人へのメッセージを書いて飾ると、会場が黄色いミモザの花畑のように。こうした、堅苦しさのない、参加しやすいイベントで、多くの方に興味を持ってもらえたらと思っています。
もともと未来を担う子どもたちの支援をしたいという思いで入区しましたが、その思いがプロジェクトの活動につながっています。若い世代の意見を肌で感じ、純粋な気持ちや意見を汲み取って支えていきたいですね。区の男性職員も、若年女性の支援活動を頑張っています!