PROJECT 03 荒川区健康アプリ「あらチャレ」[荒川区]

MEMBER

  • 健康部健康推進課
    健康推進係
    平成10年度採用
  • 健康部健康推進課
    保健相談担当
    平成19年度採用
  • 健康部健康推進課
    栄養担当
    令和4年度採用

日常生活の中で無理なく楽しく健康づくり
ポイントアプリ「あらチャレ」を始動

仕事や子育てに忙しく、健康診断や健康に関するイベントなどになかなか参加する機会が持てない働き盛り世代の健康増進を目的として、荒川区健康アプリ「あらチャレ」が導入されました。参加しやすい形、使って便利な機能、ポイントを貯めてもらえる景品など魅力的なコンテンツで楽しく手軽に区民の健康増進を目指します。

運動を習慣化する意欲はあっても実践できない人へ
意欲を実践につなげるサポートをアプリで。

荒川区の健診結果を見てみると、結果から、何かと忙しい働き盛り世代には、「運動したい気持ちはあるけれど、なかなか続けられない」、という方が多いことがわかりました。そこで、肥満や生活習慣病の予防も含めて、健康づくりを気軽にサポートできるツールとして「あらチャレ」を導入しました。健康に関心がある方はもちろん、「ちょっと気になるけど何から始めたらいいか・・」という方にも気軽に使ってもらえるアプリにしたいと思っています。
区が手がけるさまざまな健康事業の周知、ゲーム感覚で楽しめるコンテンツ、ポイントを貯めることで景品が当たる景品応募キャンペーンなど、楽しく参加できるものになっています。
私は、栄養士として、食に関わる講座やイベントを企画・運営しています。イベント参加者にアプリの紹介をしつつ、健康的な食習慣につながる講座の調整や企画を担当しています。
保健師職として、いろいろな健康講座や事業を行なっています。その中から「これはアプリのポイントとつなげたらいいな」というものを選んで、参加することでポイントが貯まるようにしました。アプリ内の「ウォークラリー」に掲載している5つのコースも区内を楽しく歩けるように、距離や場所を考えてウォーキングマップから選んでいます。
プロジェクト発足時は、健康部メインの施策として考えていましたが、健康部以外の事業とも連携が進み、今や、荒川区全体で「あらチャレ」を推進していこう、という全庁連携の取組みになっています。働き盛り世代だけではなく、そこにつながる家族から高齢者まで幅広く参加して、ポイントが貯められるアプリへと連動を広げています。
離乳食講座などでも、イベントに参加するだけでポイントが付与されるので、若いママ世代の方々も、その場ですぐにダウンロードして参加してくださっています。

健康増進をポイ活で楽しく
イベントやコンテンツにひと工夫

このアプリはポイント付与が参加するモチベーションのひとつ。参加するほどポイントが貯まって景品に応募できるので、魅力的な景品選びもポイント。「ポイントを貯めた甲斐があった」「今後も期待しています」と当選者から笑顔や感謝の言葉をいただくと景品選びにも力が入ります。
アプリの連動で、食育イベントにも思ったよりたくさんの方が集まりました。アプリのお知らせ配信の告知を見て参加された方が多く、手のひらをセンサーにかざすと日々の推定野菜摂取量が測定できる「ベジチェック」という機器を体験していただきました。測定するとポイントが付与される仕掛けで大盛況でした。次回はファミリーで参加できる日時で開催したいと思っています。
著名人の直接指導によるウォーキングセミナーや、体の動かし方アドバイスなど、「あらチャレ」利用者を対象としたイベントも大好評です。毎日歩いた歩数を対決形式で競う「歩数ランキング対決」など、アプリ内にも遊び感覚で楽しく参加できるコンテンツがあります。みなさんにどんどん参加していただけるよう今後のイベントも絶賛調整中です。
まずはアプリをダウンロードして気軽に使っていただければと思います。歩いたり食事を記録したりするだけでもポイントが貯まるので、毎日の生活を見える化して、健康づくりに役立ててもらえたら嬉しいです。
荒川区では、区と区内飲食店、女子栄養大学短期大学部が連携し、健康に配慮した「あらかわ満点メニュー」を各店舗で提供しています。あらかわ満点メニューのキャンペーンでもグッズ配布をポイント付与に切り替えました。あらかわ満点メニューの周知、注文率アップのためにも、アプリとの連動は今後も積極的に検討していきたいです。
これからは、アプリを長く続けてもらうための工夫にも力を入れていきたいです。たとえば最近では、夏休み期間を使ってお子さんも参加できる、ロゴマーク・キャラクターの公募を行なっています。応募するとポイントがもらえる仕組みで、家族みんなで楽しめる企画になっています。区民のみなさんと一緒にシンボルキャラクターを作ることで、あらチャレが身近な存在になることを願っています。

始動して見えてきた高齢者の需要
社会とつながるツールとしての機能

始めてみて意外だったのは、働き盛り世代だけではなく高齢の方にもたくさん関心を持っていただけたことです。「あらチャレ」には他の人と交流ができるグループ機能もあるので、他の人とつながりながら楽しむことができます。仲間と一緒に健康づくりに取り組むと、体だけでなく心の健康にもつながるので、高齢者の方はもちろん、様々な世代の方に交流のきっかけとしてもぜひ使ってほしいです。
まだまだ使いきれていない機能もたくさんあるので、さまざまな視点で効果的な使い方を見つけてこのアプリを健康増進に役立てたいです。
アプリやデジタルに強いわけでもないのに、「あらチャレ」の担当になった時は、正直不安が先立ちました。プロジェクトメンバーや上司、同僚のご協力もあって、連携、連動も広がり、自身の知見も広がりました。
荒川区の健康づくりには、「自然と健康になれる環境をつくる」という目標があります。あえて頑張って何かをやろうと思わなくても、楽しんで機能を使っているうちに健康的な生活習慣が身につくのがポイント。たとえば、公園の健康遊具を使ったり、図書館などの公共施設に行ったりするだけで、ポイントがもらえるようにしました。無理に頑張らなくても、アプリを楽しみながら使ううちに生活習慣が少しずつ整っていくーそれがあらチャレの大きな魅力です。
このプロジェクトで経験値が上がり、栄養士としての視野も広がりました。健康増進のためにどんな施策・事業ができるのか、たくさんの気づきがあります。
今後は、庁内だけでなく、民間の企業や店舗との連携や東京都のアプリとの連携も進めているところです。区民をはじめ、みなさんの健康づくりがこの「あらチャレ」から始まり、広がっていけばいいなと思っています。