学生時代を特別区内で過ごしました。都心でありながら歴史を感じるまちなみが残り、まちなかの緑地がきれいに整備されている様子は、造園を学んでいた私にとって印象深いものでした。都市にある樹木の緑は、殺伐とした風景に潤いを与え、人々を癒やすことができます。区民の意見を聞きながら、まちに公園や街路樹を整備し、緑を増やすことで人々の暮らしをより良くできる仕事だと考え、特別区の造園職を志望しました。
区内の公園の新設や大規模改修に伴う設計などを担当しています。公園施設の設計は、周辺施設や地域の歴史を調査し、地元のニーズを聞き取りながら進めていきます。最近設計を担当した公園は、地域の方からの要望を受け、園内に畑や農業体験ができるスペースを設けました。以前農業が盛んだった地域ならではの、特色ある公園になったと思います。完成した公園が、その土地の原風景を未来に伝え、地域に活気を生むものになってほしいと願っています。
工事が始まると、設計時の想定を上回るような良いアイデアが、現場から出ることがあります。そうした声を吸い上げるため、現場を見ながら工事担当者や施工業者と話す時間を大切にしています。