更新日:2022年3月15日

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特別区人事委員会に関する事務

共同処理事務

特別区人事委員会(本組合規約第3条第1号イ)

特別区人事委員会(以下、「本委員会」という。)は、23特別区が一部事務組合方式により連合して設置したものであり、全国でも例をみない設置形態の人事委員会であるが、その権限については他の人事委員会と何ら異なる点はない。しかし、その運営にあたっては次によるものとされており、一部事務組合方式で設置した特徴が現れている。

  • 本委員会は、それぞれの特別区の共同機関としての性格を有しており、その行為の効果はそれぞれの特別区に帰属する。
  • 人事委員会の権限に属する事務の管理及び執行に関する法令、条例、規則、その他の規定の適用について、本委員会は、それぞれの特別区の機関とみなす。
  • 本委員会に関する財務事務及び監査事務は、本組合が処理する。
  • 本委員会の委員は、本組合の管理者がその議会の同意を得て選任する。委員の身分取扱いについては、本組合の職員とみなす。
  • 本委員会の事務を補助する職員は、本組合の職員をもって充てる。
  • 本委員会の権限に属する事務の執行に関する監査請求(地方自治法第75条)はできないが、住民監査請求(地方自治法第242条)については、本組合に対して行うことができる。

(1)委員

人事委員会は、3人の委員により構成された合議制機関であり、委員は地方公務員法第9条の2第2項の規定により、人格が高潔で、地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、かつ、人事行政に関し識見を有する者のうちから、議会(本委員会の場合は、特別区人事・厚生事務組合議会)の同意を得て、地方公共団体の長(本委員会の場合は、本組合の管理者)が選任することになっており、任期は4年である。

本委員会を代表する委員長は、委員のうちから選挙され、委員長に事故あるとき又は委員長が欠けたときは、委員長の指定する委員がその職務を代理するものとされている。

なお、本委員会の委員は、全て非常勤である。

(2)権限

人事委員会の権限は、行政的権限、準立法的権限及び準司法的権限に分けることができる。

行政的権限は、さらに調査研究、企画立案、調整などの政策立案的権限及び勧告、研究成果の提出、意見の申出などの勧告的権限並びに競争試験及び選考の実施などの執行的権限に分けられる。

準立法的権限は、法律又は条例に基づき人事委員会の権限に属している事項に関し、人事委員会規則を制定する権限である。

準司法的権限は、職員の勤務条件に関する措置要求の審査・判定及び職員に対する不利益な処分についての審査請求に対する裁決などの権限である。

地方公務員法第8条第1項に定められている人事委員会の権限は、次のとおりである。

  • ア 人事行政に関する事項について調査し、人事記録に関することを管理し、及びその他人事に関する統計報告を作成すること。
  • イ 人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、研修、厚生福利制度その他職員に関する制度について絶えず研究を行い、その成果を地方公共団体の議会若しくは長又は任命権者に提出すること。
  • ウ 人事機関及び職員に関する条例の制定又は改廃に関し、地方公共団体の議会及び長に意見を申し出ること。
  • エ 人事行政の運営に関し、任命権者に勧告すること。
  • オ 給与、勤務時間その他の勤務条件に関し講ずべき措置について地方公共団体の議会及び長に勧告すること。
  • カ 職員の競争試験及び選考並びにこれらに関する事務を行うこと。
  • キ 職員の給与がこの法律及びこれに基づく条例に適合して行われることを確保するため必要な範囲において、職員に対する給与の支払を監理すること。
  • ク 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。
  • ケ 職員に対する不利益な処分についての審査請求に対する裁決をすること。
  • コ ク及びケに掲げるものを除くほか、職員の苦情を処理すること。
  • サ アからコまでに掲げるものを除くほか、法律又は条例に基づきその権限に属せしめられた事務

(3)会議

本委員会の会議は「特別区人事委員会議事規則(昭和53年特別区人事委員会規則第1号)」によって運営され、定例会と臨時会に分かれている。

定例会は、原則として毎月第1、第3及び第5火曜日に東京区政会館において開催する。また、臨時会は、委員長が必要があると認めたとき、又は委員の請求があったときに委員長が招集し、同所において開催する。

令和2年度中の会議開催状況及び付議した議案等は、次のとおりである。

会議開催状況

開催回数

定例会

臨時会

議案

報告等

27

2

29

87

35

122

内訳

試験・選考関係

給与等勤務条件関係

公平審査・職員団体関係

労働基準監督関係

その他

58

38

11

2

13

(4)事務局

本委員会の権限に属する事項に関する事務を処理するため、事務局が置かれている。

事務局の組織は、局長、その補佐として次長、その下に公平・任用・給与・試験研究の各課(室)長及びその他の職員から構成されている。

(5)事業内容

ア 競争試験・選考

(ア)沿革

職員の採用試験等は、本組合で行う共同処理事務とされていたが、事業実施として比較的まとまった形で採用試験が実施されたのは、昭和35年の国民年金事務従事職員を採用した時が初めてである。それは、昭和27年9月1日の地方自治法施行令の改正に伴い、特別区には、東京都の吏員その他の職員を配属することとされ、特別区が定期的に固有職員を採用する状況ではなかったことによる。

採用試験等の実施において大きな影響を及ぼしたのは、昭和36年に始まり昭和49年4月に完了した東京都から特別区への人事権委譲である。この結果、採用事務のうち共同処理する範囲やその具体的方法について検討が行われ、特別区の人事制度の経緯を踏まえて、昭和48年度採用分から選考職種のうち化学・造園・福祉指導の旧行(一)5等級相当職を、さらに、昭和49年度採用分からは事務・土木・建築・機械・電気の5試験職種を統一選考で実施することを決定して、毎年度各程度区分(大学卒・短大卒・高校卒)別に実施されることになった。その後、昭和49年6月に地方自治法の一部改正による東京都配属職員制度の廃止や事務事業の移管に伴い、保健所関連職種も昭和50年度実施分から統一選考に加えられた。

こうした動きを受けて、試験問題作成機能の充実を図るため、昭和50年4月1日に試験室を設置するとともに、昭和52年度からは名簿登録制度を持つ競争試験に統一選考を移行させ、「採用試験」とした。そして、昭和53年4月1日に本委員会が設置されたことに伴い、本委員会が専門的に試験及び選考を実施している。

<採用試験>

昭和61年度には、採用試験の採用区分の呼称を、大学卒程度はⅠ類、短大卒程度はⅡ類、高校卒程度はⅢ類に変更した。

平成3年度には、選択解答制の導入や試験時間の短縮等の改正を行った。

平成7年度には、Ⅰ類事務に点字受験制を導入した。

平成9年度には、職種の改正に伴い、「土木」・「造園」を「土木造園」、「福祉指導」を「福祉」、「食品衛生監視」・「環境衛生監視」を「衛生監視」に変更し、「土木造園」については、「土木造園(土木)」、「土木造園(造園)」の2つの試験区分を設けた。

平成13年度には、職種の改正に伴い、「衛生監視」・「化学」を「衛生監視」に変更し、「衛生監視」については、「衛生監視(衛生)」「衛生監視(化学)」の2つの試験区分を設けた。

平成14年度には、法改正に伴い、「保健婦(士)」の職種名を「保健師」に変更した。また、試験問題について筆記試験の全問題を公表した。公表方法は、1.第1次試験当日の試験問題の持ち帰り、2.第1次試験後、各区等での試験問題の閲覧及びホームページへの掲載とした。加えて、清掃事業の移管に伴う職員補充のため、本委員会発足以降初めてⅠ類衛生監視(化学)及びⅢ類機械の試験を実施した。

平成15年度には、清掃事業の円滑な運営確保を目的として、3年間の予定で機械及び電気の2職種に限り、経験者採用試験を実施した。また、採用試験に関する信頼性の確保と公正性の推進を図るため、五枝択一式問題の正答を公表することとした。

平成16年度には、従来以上に意欲的で有為な人材を確保するため、Ⅰ類の第1次試験の試験日を1ヵ月程度前倒しとした。また、人物重視の観点から、Ⅰ類事務において個別面接を1回から2回に変更し、技術・専門的な職種についても課題式論文を導入した。加えて、主な他団体が保健師採用試験の第1次試験を6月頃に実施していることから、保健師採用試験をⅠ類と同日とした。

平成19年度には、高度化・複雑化・専門化する行政サービスに対応するため、民間企業等での職務経験で培った知識や能力を即戦力として特別区政に活かすことを目的として、経験者採用試験・選考(以下「経験者」という。)を導入し、採用機会の拡大を図った。加えて、受験者の利便性の向上を図るため、Ⅰ類を除き、インターネットによる申込を実施し、平成20年度には全採用区分に拡大した。

平成20年度には、Ⅰ類事務と同様に、技術・専門的な職種についても2回面接を実施するなど、人物重視の採用試験の取組みを推進した。

平成24年度には、経験者において、1.申込時の提出書類に職務経歴書を追加、2.受験資格に係る業務従事歴の対象範囲を拡大、3.採用区分3級職の第1次選考に教養試験(五枝択一式)を導入、4.第1次試験・選考合格者に対する面接の1回目と2回目の間に選抜を実施するといった大幅な制度改正を実施した。また、3級職(主任主事Ⅰ)を試験から選考に変更した。

平成25年度には、人材確保が厳しいⅠ類技術系試験区分(土木造園(土木)・土木造園(造園)・建築・機械・電気)について、他の試験区分より最終合格発表日を前倒しし、有為な人材の確保に努めた。また、特別区が求める人材像として、「自ら考え行動する人材」を設定した。

平成26年度には、多様な人材を確保するため、Ⅰ類の教養試験の出題内容について、知能分野と知識分野の割合を変更した。また、Ⅰ類技術系試験区分のうち土木造園(土木)及び建築において、民間企業志望者等にも受験しやすい【土木・建築新方式】を導入し、Ⅰ類【一般方式】・【土木・建築新方式】の試験を実施した。

平成27年度には、Ⅰ類【一般方式】において、民間企業等の採用選考活動が8月1日以降に変更されたことに伴い、第1次試験の試験日を1ヵ月程度後ろ倒しとした。また、第2次試験の個別面接を2回から1回に変更し、性格検査を導入した。

平成28年度には、Ⅰ類試験区分のうち、事務、土木造園(土木)、土木造園(造園)、建築、機械、電気の受験資格の上限年齢を28歳未満から32歳未満に引き上げた。加えて、経験者においては、受験者の負担を軽減するため、口述試験として実施していた第2次及び第3次試験・選考を統合し、面接を2回から1回に変更した。

平成29年度には、高齢者人口・生活保護受給世帯数の増加や児童福祉法等の改正に伴う児童相談所の設置に向け、福祉分野における専門人材を確保するため、Ⅰ類【一般方式】試験区分に心理を、経験者試験・選考区分に福祉を追加した。また、Ⅰ類【一般方式】において、民間企業等の採用選考活動が6月1日以降に変更されたことに伴い、第1次試験の試験日を1ヵ月程度前倒しとした。

平成30年度には、Ⅰ類において、受験者の負担軽減のため、第1次試験で実施していた性格検査を廃止した。また、行政系人事制度の改正に伴い、経験者の採用区分について、2級職を1級職に、3級職を2級職に変更した。

令和元年度には、経験者において、採用制度の一層の充実を図り、より有為な人材を確保するため、受験資格の上限年齢を60歳未満に引き上げ、採用区分を2区分(1級職、2級職(主任))に見直し、あわせて、児童相談所(一時保護所を含む。)の円滑な開設・運営に向けた体制の強化を図るため、児童相談所等での有用かつ専門的な職務経験を有する人材を確保することを目的として、採用区分に1級職、2級職(主任)に加え、3級職(係長級)を設定、試験・選考区分に「児童福祉」「児童指導」「児童心理」を追加するといった大幅な制度改正を実施した。また、Ⅰ類【土木・建築新方式】において、民間企業志望の学生がより受験しやすい試験とするため、試験日程を前倒しし、Ⅰ類【一般方式】と同日実施とした。加えてインターネットによる申込を原則化した。

令和2年度には、児童相談所等での経験を求める採用制度について、児童相談所開設に向けた人材確保を一層図るため、受験対象者拡大の観点から、業務経験の年数を見直すとともに、「児相福祉」及び「児童心理」の必要とする業務経験の範囲等を緩和し実施した。また、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った就職氷河期世代の者を対象に、その活躍の場を広げることを目的として、就職氷河期世代を対象とする採用を導入した。

<障害者を対象とする採用選考>

昭和56年11月16日の区長会において、身体障害者雇用促進法の趣旨に基づき、働く意欲と能力のある身体障害者の就労の途を開くとともに雇用促進を図るため、各区は、法定雇用率対象職員の3%を目標とし、今後10年間でその達成を図ることを決定した。これに伴い、昭和57年度採用分から本委員会が、「身体障害者を対象とする採用選考」として特別選考を実施することとした。

平成2年度に、選考開始から10年が経過したが、任命権者からの採用選考継続要請に基づき、平成3年度以降も10年間、本委員会が引き続き採用選考を実施することとなった。

平成12年度には、さらに10年が経過したものの障害者雇用の目標雇用率の達成及び維持に努める必要があることから、任命権者からの採用選考継続要請に基づき、平成13年度以降も本委員会が当分の間採用選考を実施することとなった。

平成14年度には、採用試験と同様に試験問題の公表を開始した。

平成25年度には、障害者の法定雇用率の引き上げに伴い、受験者数が減少傾向にある中で、広く人材を確保するため、受験資格のうち「選考申込時及び採用時において、引き続き特別区の区域内に住所を有する人」という住所要件を削除した。

平成28年度には、改正障害者雇用促進法の施行を踏まえ、受験資格のうち「自力により通勤ができ、かつ、介護者なしに職務の遂行が可能な人」を削除するとともに、点字受験制を導入した。また、Ⅰ類採用試験の年齢要件の見直しに伴い、受験資格の上限年齢を28歳未満から32歳未満に引き上げた。

平成29年度には、障害者の募集・採用時における差別解消及び配慮の観点から、第2次選考において実施していた身体検査を廃止した。

平成30年度には、「障害者の雇用の促進等に関する法律」が改正され、国や地方公共団体、民間企業において障害者雇用の更なる促進が図られる中、障害者を含めた均等な就労機会の確保が求められている状況を踏まえ、「都道府県知事又は政令指定都市市長が発行する療育手帳の交付を受けている人」、「児童相談所等により知的障害者であると判定された人」及び「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第45条に定める精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人」を受験資格に追加した。これに伴い、選考の名称を「障害者を対象とする採用選考」に変更した。

(イ)種類

a 採用試験

採用試験は、本委員会が採用区分ごとに試験案内を定め、第1次及び第2次試験を実施し、合格者を採用候補者として各区・組合へ提示している(経験者2級職(主任)、3級職(係長級)及び障害者については、採用選考として実施)。

また、ホームページ・パンフレット等を活用した募集活動、23区合同説明会及び技術職採用フォーラムの開催、学校説明会への参加などPR活動を積極的に行っている。

採用区分

試験区分

Ⅰ類

事務、土木造園(土木)、土木造園(造園)、建築、機械、電気、福祉、心理、衛生監視(衛生)、衛生監視(化学)、保健師

Ⅱ類

Ⅲ類

事務、土木造園(土木)、土木造園(造園)、建築、機械、電気

経験者1級職

経験者2級職(主任)

経験者3級職(係長級)

事務、土木造園(土木)、土木造園(造園)、建築、機械、電気、福祉、児童福祉、児童指導、児童心理

就職氷河期世代

事務

注1 Ⅲ類の採用区分では、上記に加えて障害者を対象とする採用選考(事務)を実施。

注2 経験者2級職(主任)、3級職(係長級)の採用区分は、採用選考として実施。

注3 経験者3級職(係長級)の採用区分では、児童福祉、児童指導、児童心理のみ実施。

採用試験・選考実施状況(PDF:51KB)

注 Ⅱ類採用試験は、昭和58年度から実施していない。

b 能力認定

能力認定は、採用試験を実施する職種に限り、採用試験と同一方法・同一基準により実施し、合格者を決定している。

能力認定実施状況

(単位:人)

種別

申込者数

受験者数

最終合格者数

2年度

元年度

比較

増△減

2年度

元年度

比較

増△減

2年度

元年度

比較

増△減

Ⅰ類

59

55

4

53

49

4

18

8

10

Ⅲ類

10

5

5

9

5

4

2

0

2

69

60

9

62

54

8

20

8

12

注 Ⅱ類の能力認定は、昭和58年度から実施していない。

c 採用選考

採用選考は、本委員会が採用試験になじまない職を選考によることができる職として規定し、本委員会が自ら選考し、又はその選考の基準及び方法を定めて、23区の任命権者に委任して実施するものである。

なお、採用選考権限を委任した職については、本委員会は受任者からその選考の実施結果の報告を受けることとしている。

(令和2年度)

区分

給料等

職種等

採用選考権限を

区の任命権者に

委任しているもの

行(一)1級

社会教育、福祉(Ⅱ類)、学芸研究

医(二)1級

診療放射線、歯科衛生、理学療法、作業療法、検査技術、栄養士

医(三)1級

看護師、准看護師

行(二)1級

技能Ⅰ(自動車運転等)

技能Ⅱ(警備、作業Ⅰ等)

技能Ⅲ(調理、用務等)

技能Ⅳ(家庭奉仕)

技能Ⅴ(自動車整備等)

技能Ⅵ(設備管理等)

3級職

医師、歯科医師

課長級以上の職

医師及び歯科医師をもって充てる課長級及び部長級の職(専門職選考の1次選考権限)

原則常勤職員の給料表適用

会計年度任用職員(常勤職員の職種表の職種の区分を適用する。ただし、職種表の分類により難い特別の事情があると任命権者が認める場合は、この限りではない)

人事委員会が選考するもの

上記以外のもの

上記以外の全ての職

採用選考実績(令和2年度人事委員会実施分)

 

合格者数

備考

医療専門職(医師の課長級以上)

20人

14区で実施

注 行政専門職の採用選考については、実績なし。

d 障害者を対象とする採用選考

障害者を対象とする採用選考(Ⅲ類・事務)は、障害者の雇用の促進等に関する法律の趣旨に則り、昭和56年度を初年度として10年間で身体障害者の雇用率を3%とする目標を設定した任命権者からの要請に基づき、本委員会が基本方針を定め、実施している。

障害者を対象とする採用選考実績

(単位:人)

申込者数

受験者数

最終合格者数

2年度

元年度

比較

増△減

2年度

元年度

比較

増△減

2年度

元年度

比較

増△減

302

282

20

228

222

6

99

100

△1

e 昇任選考

本委員会が実施する昇任選考は、主任職昇任選考及び管理職選考である。平成30年度以降の係長職、課長補佐職及び部長職の昇任については選考ではなく能力実証によるものとなり、能力実証の結果報告を受けることとしている。

f 管理職選考(令和2年度)

特別区に勤務する職員に対する課長級の職への昇任に当たっての第一次選考として、管理職選考を次のように実施している。

(a)選考種別及び区分

Ⅰ類-事務、技術Ⅰ、技術Ⅱ、技術Ⅲ

Ⅱ類-事務、技術

(b)受験資格

Ⅰ類-日本国籍を有する実施要綱で定める職種の職務に従事する人のうち、令和3年3月末日現在、年齢55歳未満で、主任以上の職にあり、その在職期間が6年以上の人(全部、分割又は免除受験方式で受験する場合であって、経験者採用制度により採用された人が受験する場合を除く。)

※経験者採用制度により採用された人及び前倒し受験方式で受験する人については、実施要綱に定めるとおりとする。

Ⅱ類-日本国籍を有する実施要綱で定める職種の職務に従事する人のうち、令和3年3月末日現在、年齢46歳以上56歳未満で、課長補佐職にあり、その在職期間が2年以上の人

(c)Ⅰ類筆記考査における受験方式

全部

受験方式

受験資格を満たしている人が、筆記考査(択一・短答式問題、記述式問題、論文式問題)全てを受験する方式

分割

受験方式

受験資格を満たしている人が、択一・短答式問題受験の免除資格を得るため、択一・短答式問題のみを受験する方式。受験年度の管理職選考の合格にはいたらない。

免除

受験方式

択一・短答式問題受験の免除資格を得ている人が、記述式問題及び論文式問題を受験する方式

前倒し

受験方式

主任の職にあり、その在職期間が3~5年目の人(経験者採用制度により採用された人等の特例あり)が、択一・短答式問題受験の免除資格を得るため、択一・短答式問題のみを受験する方式。受験年度の管理職選考の合格にはいたらない。

(d)口頭試問進出者及び合格者の決定

Ⅰ類-口頭試問進出者は、全部受験方式で択一・短答式問題の成績が一定の基準に達し、かつ、記述式問題、論文式問題及び勤務評定の結果を総合して一定の基準以上の人並びに免除受験方式で記述式問題、論文式問題及び勤務評定の結果を総合して一定の基準以上の人(事務:合格予定者数の2倍程度、技術:同1.5倍程度)とする。合格者は、口頭試問受験者の記述式問題、論文式問題、勤務評定、口頭試問の成績を総合して決定する。

Ⅱ類-口頭試問進出者は、筆記考査(事例式論文)及び勤務評定の結果を総合して一定の基準以上の人(事務:合格予定者数の2倍程度、技術:合格者相当数)とする。合格者は、口頭試問受験者の筆記考査、勤務評定及び口頭試問の成績を総合して決定する。

(e)択一・短答式問題受験の免除資格の付与(Ⅰ類のみ)

択一・短答式問題の成績が一定の基準に達した人については、原則として次のいずれかの期間、択一・短答式問題受験の免除資格を付与される。

1.来年度にⅠ類【全部・分割・免除】の受験資格を満たす人に対し、令和3年度以降3年間

2.来年度にⅠ類【全部・分割・免除】の受験資格を満たさない人に対し、Ⅰ類【全部・分割・免除】の受験資格を満たす年度以降3年間

管理職選考実施状況(合格者決定)(PDF:46KB)

管理職選考実施状況(免除者決定)(令和2年度)(PDF:91KB)

g 転職

転職については、本委員会で基準を定めている。

能力実証は、原則として本委員会が実施しているが、採用選考職である職務分類基準(Ⅰ)1級職及び職務分類基準(Ⅱ)1・2級職への転職については、その能力実証の基準及び方法を定めて、23区の任命権者に委任している。

なお、能力実証権限を委任した職については、本委員会は受任者からその転職の実施結果の報告を受けることとしている。

※特例転職選考は平成25年度で終了した。

イ 労働基準監督機関の職権行使

職員の勤務条件に関する労働基準監督機関の職権は、非現業職員(労働基準法(以下「労基法」という。))別表第1第11号、第12号及び別表第1に掲げる事業以外の官公署に勤務する職員で、単純労務職員を除く職員)については、地方公務員法第58条第5項の規定に基づき、人事委員会(人事委員会を置かない地方公共団体にあってはその長)が行使することとされている。

特別区に勤務する非現業の職員については、東京都からの配属職員制度が廃止された昭和50年度から各特別区の長の職権行使を本組合で共同処理することとなったため、本組合の管理者が労働基準監督機関としての職権を行使してきた。その後、昭和53年4月に各特別区が本委員会を連合して設立したことにより、同年度から本委員会が職権行使を行っている。

事業の概要は、次のとおりである。

事務事業

根拠法

概要

定期監督

労基法第101条

労働安全衛生法(以下「安衛法」という。)第91条ほか

職員の適切な勤務条件及び安全と健康を確保することを目的として、事業場の事業内容、勤務実態及び執務環境について調査・監督し、併せて労基法及び安衛法等の法令に規定された職員の勤務条件に関する基準の周知を図る。

事業場に出向いて事情聴取、施設調査を行う方法で監督を実施している。監督の結果、法令上問題があると認められる場合は、使用者又は職員に対して命令又は指導を行う。

許認可事務

 

 

労基法第33条

〃 第41条

 〃

 

〃 第19条

〃 第20条

 

〃 第36条

安衛法第88条

 〃

 

労基法第104条の2

安衛法第10・12・13条

安衛法第66条

労働安全衛生規則(以下「安衛則」という。)第97条

安衛則第96条

安衛法第100条

主な許認可事務

〔許可〕

  • 非常災害等の理由による労働時間延長・休日労働の許可
  • 断続的な宿直又は日直勤務の許可
  • 監視又は断続的労働に従事する者に対する適用除外許可

〔認定〕

  • 解雇制限除外の認定
  • 解雇予告除外の認定

〔届出の受理〕

  • 時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)
  • 機械等の設置及び変更の届
  • 機械等の設置、移転及び変更に関する計画の届

〔報告の受理〕

  • 適用事業報告
  • 総括安全衛生管理者、衛生管理者及び産業医の選任報告
  • 定期健康診断結果報告
  • 心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告
  • 職員死傷病報告
  • 事故報告
  • 機械等の設置、休止及び廃止報告

ボイラー

等の検査

安衛法第38条ほか

ボイラー、第一種圧力容器、ゴンドラ等の落成・変更・使用再開検査を行う。なお、性能検査については、安衛法の改正により、平成16年3月31日以降、登録性能検査機関のみが実施することとなった。

労働安全衛生普及活動

安衛法第59条ほか

労働安全衛生講演会

各区の労働安全衛生担当者等の安全衛生意識の高揚を図るため、講演会を開催している。

(ア)令和2年度実績

a 定期監督

事業

施設数

区民行政施設

18

教育施設

28

46

結果の概要()内は、指摘事項数

指摘事項…44事業場、185件

  • 勤務時間管理(50件)
    退勤時刻と超過勤務命令時間が乖離している。など
  • 時間外・休日労働に係る協定(3件)
    協定を締結せず、時間外・休日労動を行わせている。など
  • 会計年度任用職員の勤務条件(4件)
    勤務実態が勤務条件通知書と異なっている。 など
  • 週休日の変更(35件)
    規則で定める期間に週休日が取得できていない。 など
  • 超過勤務手当(22件)
    週休日等の振替及び時間外労働に係る割増賃金が支払われていない。
  • 面接指導(18件)
    1か月あたり80時間を超えて時間外労働を行った職員に対する適切な事後措置が講じられていない。 など
  • 安全衛生管理体制(13件)
    衛生推進者が選任されていない。衛生委員会を基準に基づいた回数実施していない。 など
  • 事務所の衛生管理(1件)
    中央管理方式の空気調和設備について、作業環境測定を基準に基づいた回数実施していない。
  • 工作機械・木材加工用機械の安全管理(3件)
    卓上ボール盤等が固定されていない。 など
  • 有害物管理(36件)
    薬品台帳・化学物質等安全データシートが整備されていない。ガラス製薬品容器の一部に接触割れ防止の措置がされていない。 など

b 申告に基づく監督 0件

c 許可、認可、報告等件数

種別

件数

断続的な宿直又は日直勤務の許可申請

3件

監視又は断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請

3件

解雇予告除外認定

10件

時間外・休日労働に関する協定届

1,690件

総括安全衛生管理者・衛生管理者・産業医選任報告

152件

定期健康診断等結果報告

148件

職員死傷病報告

10件

事故報告

0件

機械等の落成・変更等各検査申請

6件

機械等の設置・変更届等

25件

機械等の休止・廃止報告

16件

機械等の検査証再交付・書替申請

2件

d ボイラー等の検査

 内訳(基数)

項目

ボイラー

一圧容器

ゴンドラ

クレーン

落成検査

0

0

 

0

0

変更検査

0

0

3

0

3

使用再開検査

0

0

3

0

3

0

0

6

0

6

e 労働安全衛生普及活動

安全衛生意識の高揚及び事業場における安全衛生対策の推進を図るため、各区の労働安全衛生担当職員等を対象に下記の事業を実施している。

労働安全衛生講演会

開催年月日  令和2年11月12日(木曜日)

開催場所  東京区政会館20階 202・203会議室

演題 「地方自治体の働き方改革実例紹介」

講師 神奈川県総務局組織人材部行政管理課改革調整グループ 大内 岳志 氏

調布市総務部人事課人材育成・女性活躍推進担当主幹 宮田 千華 氏

調布市総務部人事課人事研修係人材育成・女性活躍推進担当 川上 仁史 氏

受講者 28名

(イ)令和3年度 実施計画概要

事業:定期監督

実施概要

基本方針

職員の勤務条件や執務環境が労基法及び安衛法等に適合しているかどうかを調査・監督するとともに、法令に規定された職員の勤務条件に関する基準の周知を図ることを目的に実施する。

  1. 時間外・休日労働時間数が多い事業場
  2. 職員数が多い事業場
  3. 工作機械や薬品が多い事業場

実施計画

実施予定事業場数 50事業場(労基法別表第1第12号の事業場及び同表以外の事業を行う官公署)

実施時期 5月~12月

事業:ボイラー等検査

実施概要

落成検査、変更検査及び使用再開検査については、本委員会が実施する。性能検査については、登録性能検査機関が実施する。

(参考)

令和3年4月1日現在ボイラー等設置基数………………179基

  • ボイラー 17基
  • 第一種圧力容器110基
  • ゴンドラ50基
  • クレーン 2基

事業:労働安全衛生普及活動

実施概要

労働安全衛生講演会

各区の労働安全衛生担当者等の安全衛生意識の高揚を図るため、講演会を開催する。

ウ 管理職員等の範囲を定める規則の制定

管理職員等とその他の一般職員とは、同一の職員団体を組織することができず、管理職員等の範囲は、人事委員会規則(又は公平委員会規則)で定めることとされている(地方公務員法第52条第3項ただし書及び第4項)。

エ 職員団体の登録

職員団体は、条例で定めるところにより、理事その他の役員の氏名及び条例で定める事項を記載した申請書に規約を添えて人事委員会(又は公平委員会)に登録を申請することができる(地方公務員法第53条第1項)。

職員団体は、登録の有無にかかわらず、交渉を行うことができるが、登録した場合は、次のような便宜が与えられている。

  • (ア) 登録職員団体から適法な交渉の申入れがあったときは、地方公共団体の当局は、その申入れに応ずべき地位に立つこと。
  • (イ) 登録団体は、法人となることができること。
  • (ウ) 登録団体に対しては在籍専従職員を認めることができること。

なお、令和3年3月31日現在、69の職員団体が登録されている。

オ 勤務条件に関する措置要求の審査

人事委員会(又は公平委員会)は、勤務条件に関する措置要求があったときはその事案について審査を行い、事案を判定し、その結果に基づいて、その権限に属する事項については自らこれを実行しなければならない。その他の事項については、権限を有する地方公共団体の機関に対して必要な勧告をしなければならない(地方公務員法第47条)。

措置要求に関する件数

(単位:件)

 

平成28年度

平成29年度

平成30年度

令和元年度

令和2年度

前年度までの未処理件数

4

3

3

3

0

要求件数 (新規)

1

2

1

2

1

処理件数

2

2

1

5

0

未処理件数

3

3

3

0

1

カ 不利益処分に関する審査請求の審査

人事委員会(又は公平委員会)は、不利益処分に関する審査請求を受理したときは、直ちにその事案を審査しなければならない。審査の結果に基づいて、処分を承認し、修正し、又は取り消し、及び必要がある場合には処分によって受けた不当な取扱いを是正するための指示をしなければならない(地方公務員法第50条)。

審査請求に関する件数

(単位:件)

 

平成28年度

平成29年度

平成30年度

令和元年度

令和2年度

前年度までの未処理件数

276

277

276

279

281

請求件数(新規)

4

2

9

2

1

処理件数

3

3

6

0

11

未処理件数

277

276

279

281

271

キ 苦情処理

職員は、人事委員会(又は公平委員会)に対し、勤務条件その他の人事管理に関する苦情相談を行うことができる(地方公務員法第8条第1項第11号)。

苦情相談に関する件数

(単位:件)

 

平成28年度

平成29年度

平成30年度

令和元年度

令和2年度

前年度までの未処理件数

1

3

3

5

6

相談件数(新規)

22

18

17

32

57

処理件数

20

18

15

31

46

未処理件数

3

3

5

6

17

ク 学校医等の公務災害補償の審査

特別区立学校の学校医等の公務上の災害等について、その認定、療養の方法、補償金額の決定その他の補償の実施に関して学校医等から審査の申立てがあったときは、人事委員会(又は公平委員会)は、事案を審査し、裁定を行う(公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律第5条等)。

なお、これまで本委員会が学校医等の公務災害補償の審査をした事例はない。

ケ 退職手当支給制限等の処分に係る諮問に関する調査審議

各区の職員の退職手当に関する条例により、退職した者や遺族等に対する退職手当の支給制限・返納命令については、手続きの適正や権利保護を図る必要性が特に高いため、人事委員会への諮問が必要とされている。各区から退職手当支給制限等の処分に関する諮問を受けたとき、本委員会は、同諮問について調査審議し、答申する。

退職手当支給制限等の処分に係る諮問に関する件数

(単位:件)

 

平成28年度

平成29年度

平成30年度

令和元年度

令和2年度

前年度までの未処理件数

0

0

0

0

0

諮問件数(新規)

2

0

0

0

1

処理件数

2

0

0

0

1

未処理件数

0

0

0

0

0

コ 退職管理の適正の確保

離職後に営利企業等に再就職した元職員(再就職者)は、離職前5年間に在職していた地方公共団体の執行機関の組織等の職員に対して、当該地方公共団体等と当該営利企業等又はその子法人との間の契約等事務(離職前5年間の職務に属するもの)に関し、離職後2年間、職務上の行為についての要求、依頼が禁止されている(地方公務員法第38条の2)。

この再就職者による依頼等の規制に違反する行為を行った疑いがある場合は、任命権者が調査を実施することになるが、その際、人事委員会(又は公平委員会)は、任命権者が行う調査が公正に行われるよう、その開始から終了までを監視する(地方公務員法第38条の3~第38条の5)。

サ 給与等の報告及び勧告

人事委員会は専門的人事行政機関として、地方公務員法第8条及び第26条に基づき、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件等について絶えず調査・研究を行い、毎年少なくとも1回、給料表が適当であるかどうかについて、議会及び区長に同時に報告するものとされている。また、給料表に定める給料額を増減することが適当であると認めるときは、あわせて適当な勧告をすることができるとされている。

給与は、情勢適応の原則(地方公務員法第14条)、均衡の原則(地方公務員法第24条第2項)及び職務給の原則(地方公務員法第24条第1項)に則して決定されるものである。例年、人事委員会は、これらの趣旨を踏まえ、特別区職員給与等実態調査及び職種別民間給与実態調査を行い、公民較差を算出するとともに、国や他の地方公共団体の給与の実態を参考にして、給与等に関する報告、意見の申出及び勧告を行っている。令和2年は、10月23日及び12月3日に行った。これらの概要は、次のとおりである。

令和2年 職員の給与に関する報告及び勧告の概要(令和2年10月23日)

本年のポイント

特別給(期末手当・勤勉手当)

年間の支給月数を0.05月引下げ(現行4.65月→4.60月)、期末手当から差し引き

  • 職員の平均年間給与は、約2万円の減
  • 月例給については、別途必要な報告・勧告を予定

職員の給与(特別給)に関する報告・勧告

1 民間給与の調査

  • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を考慮し、訪問によらず通信等の方法を用いて、特別給(賞与)の調査を6月29日から7月31日まで先行して実施
  • 月例給の調査は、感染予防対策を徹底した上で、8月17日から9月30日まで実施

2 職員と民間従業員との給与の比較

(1)民間給与実態調査の内容(令和2年4月)

区分

内容

調査対象規模

企業規模50人以上で、かつ、事業所規模50人以上の事業所

事業所数

特別区内の1,107民間事業所を調査(調査完了710事業所)

(2)公民比較の結果

特別給 

民間支給割合

職員支給月数

4.60月分

4.65月

△0.05月

3 改定の内容

(1)特別給(期末手当・勤勉手当)

  • 民間における特別給の支給状況を勘案し、年間の支給月数を0.05月引下げ
  • 支給月数の引下げ分については、民間の状況等を考慮し、12月の期末手当から差し引き

(2)実施時期

  • 条例の公布の日

4 給与制度における課題

  • 期末手当については、国等の状況を考慮し、支給月数の配分を検討するとともに、支給回数について、見直しをする必要

令和2年 職員の給与等に関する報告の概要(令和2年12月3日)

本年のポイント

月例給の改定を行わない

職員の給与が民間従業員の給与を157円(0.04%)上回っている状況であるが、この較差は僅少

であり、おおむね均衡していると言えるものであって、給料表や諸手当の適切な改定を行うこと

が困難であることから、月例給の改定を行わないことが適当

職員の給与に関する報告

Ⅰ 職員と民間従業員との給与の比較

1 職員給与等実態調査の内容(令和2年4月)

職員数

民間従業員と比較した職員

職員数

平均給与月額

平均年齢

57,047人

30,233人

380,961円

39.1歳

2 民間給与実態調査の内容(令和2年4月)

区分

内容

調査対象規模

企業規模50人以上で、かつ、事業所規模50人以上の事業所

事業所数

特別区内の1,107民間事業所を調査(調査完了642事業所)

3 公民比較の結果

月例給

(注)民間従業員、職員ともに本年度の新卒採用者は、含まれていない

民間従業員

職員

380,804円

380,961円

△157円(△0.04%)

4 本年の公民較差算出

本年の報告に関しては、差額支給者を公民比較から除外して公民較差を算出する、一時的、特例的な措置を執り公民比較を行った結果、職員の給与が民間従業員の給与を157円(0.04%)上回っている状況である。しかしながら、この較差は僅少であり、おおむね均衡していると言えるものであって、給料表や諸手当の適切な改定を行うことが困難であることから、月例給の改定を行わないことが適当と判断した。差額支給者を除外しない場合の公民較差は△3,071円である。

5 差額支給

給料表の切替の際に特段の措置によって生じた差額支給者については、着実な解消を図るべきものである。しかし、差額支給者の人数は昨年4月1日時点の2,221人に対し、本年4月1日時点で1,818人、減少数は403人、任用面により差額支給が解消されたのは昇任者の87人で約2割に過ぎず、解消に向けての十分な措置が講じられたとは言えない状況である。任命権者においては、引き続き、差額支給の着実な解消に向けて、より一層の積極的な取組を講じられたい。

人事・給与制度、勤務環境の整備等に関する意見

1 人事・給与制度

(1)行政系人事・給与制度改正の結果及び検証

  • 管理監督職の多数を占める高齢層職員の退職や30歳台中盤から40歳台中盤の管理監督職の少ない状況においては、管理監督職の更なる拡充に向け、取組を一層進める必要

(2)人材の確保

(採用環境の変化に対応できる人材確保策)

  • 特別区が求める人材像である「自ら考え行動する人材」をより安定的に確保できる採用制度に向けた検討、取組が必要
  • ICTリテラシーの高い職員の採用試験・選考及び育成方法の研究
  • Ⅲ類採用試験で導入したスマートフォンからの申込の他試験への拡大
  • 児童相談所等での経験を求める採用試験・選考について、より有為な人材を確保するため、受験資格の見直しを行った結果、申込者数が倍増
  • 技術系職種での土木・建築新方式については、より効果的な広報活動の手法の検討に加え、試験内容について、更に専門性を問う試験問題にするなどの検討

(採用PR等の戦略的な展開)

  • 特別区の持つ魅力を受験者に伝えるべく、関係機関が十分に連携し、PRを図っていく必要
  • オンラインによる積極的なPR活動を検討

(3)人材の育成

(人事評価制度の適切な運用)

  • 人事評価制度においては、職員一人ひとりの制度理解を深め、透明性・納得性を高めていくとともに、評価結果を昇任・昇給により反映し、職員の職務に対するモチベーションの向上につなげていくことが重要
  • 任命権者においては、人事評価制度について分析・検証を行い、他区の先進的な事例の積極的な導入や評価基準項目と連動した研修を実施するなど、公正・公平性の一層の確保及び人材育成への更なる活用に向け、たゆまぬ制度改善を行い、本制度の一層の充実に向けた取組を推し進める必要

(若年層職員の組織的かつ計画的な人材育成)

  • 任命権者においては、各職層において求められる役割を自覚させるための職層別研修の拡充や、職員の成長を促すための自己啓発やeラーニング等の更なる支援について進めていく必要

(管理監督職を担う者の人材育成)

  • 管理監督職を担う人材を育成する取組を推進することにより、将来的な管理職への昇任意欲の醸成や、組織の活性化につなげていく必要

(4)高齢層職員の能力及び経験の活用

  • 再任用職員には、これまで培ってきた専門性や有用な経験を活かした業務遂行に加え、職員の育成への貢献も期待されており、再任用職員の知識、経験及び技術が次代を担う職員に継承されていくことが肝要
  • 管理職における現在の再任用の増加傾向が続くと、組織の新陳代謝の促進や職員の昇任機会確保等が課題
  • 定年引上げに関する法案審議や他団体の動向を注視していくとともに、特別区の実態を踏まえながら、任命権者と連携して制度を検討

(5)会計年度任用職員への対応

  • 任命権者においては、引き続き適正な制度の運用に向け、会計年度任用職員に対する人事評価の実施や会計年度単位での職の見直し等に留意

(6)保育教諭等への対応

  • 引き続き保育教諭等という新たな職のあり方を統一的に整理するための検討が必要

2 勤務環境の整備等

(1)多様で柔軟な働き方

  • テレワークの導入に当たっては、自然災害時や感染症流行時における業務継続の必要性に加え、職員それぞれのライフスタイルに応じた働き方を実現し、その結果として業務効率や生産性の向上に資する制度としていくことが重要
  • リモートでの業務遂行の課題を解決し、区の業務の特性を考慮しながらテレワークの導入及び定着に向けた取組
  • 時差勤務制度については、働き方の選択肢のひとつとして、また、通勤混雑緩和にもつながるものとして、制度を活用

(2)仕事と家庭の両立支援

  • 性別を問わず、仕事と家庭の両立支援制度を必要とする職員が十分に活用できるよう、より一層の推進が必要
  • 男性職員の育児休業の取得率は年々上昇しているが、国の目標値には達しておらず、また、育児休業の取得期間についても、女性職員の取得者より短期間
  • 男性職員の育児休業取得率等の更なる向上を目指し、育児休業を取得した職員の体験談を用いた周知や職場での理解促進のための取組等を継続することで、希望する職員が育児休業を取得しやすい環境づくりをより一層推進していく必要
  • 職員の育児休業の取得期間については、個々の職員のライフプランに合わせ、希望する期間を取得できるよう留意し、個々の職員に応じた働き方が実現されるよう取り組んでいくことが重要

(3)長時間労働の是正及び年次有給休暇等の取得促進

  • 各区においては、今後、時間外・休日労働に関する協定を踏まえた適切な労働時間の管理が求められる一方で、依然として長時間の超過勤務が恒常的に発生している部署があり、より一層、超過勤務の縮減に向けた不断の取組を進めることが必要
  • 臨時的、突発的に超過勤務が増加する業務については、無定量に超過勤務に依存するのではなく、要因の整理及び分析を行い、超過勤務縮減に努めることが必要

(4)メンタルヘルス対策の推進

  • メンタルヘルス不調に起因する昨年度の休職者数が顕著に増加しており、より一層の対策が必要
  • メンタルヘルス不調の兆候がみられる職員には、管理監督者から積極的に声掛けを行い、十分に話を聞くなどして、早期発見及び早期対応することが重要

(5)ハラスメントの防止対策

  • 各職員が研修を通じてハラスメントについて正しく理解し、自らの普段の言動を見返すなど、意識の向上に努めるほか、組織全体で問題意識を共有し、ハラスメント発生の兆候があった際には、組織の問題として迅速に対応することが重要

3 区民からの信頼の確保

  • 職員による不祥事の発生は、区政に対する信頼を損なうばかりか、有為な人材の確保を阻害して、区民に対する行政サービスの提供に影響
  • 働き方に大きな変化が生じはじめ、業務内容においても多様化、細分化、複雑化が進む中、特別区としての使命を果たすには、業務プロセスの可視化、効率化等を推進し、職員一人ひとりが職務に邁進できる職場環境の整備が必要
  • 職員の意識啓発に取り組み、職員の高い倫理意識のかん養を図るとともにコンプライアンス意識の高い健全な組織風土の維持に向けて不断の努力を重ね、もって、区民からの信頼を確保

シ 職員に関する条例の制定・改廃に伴う意見の申出、条例又は規則に基づく承認及び協議

「職員に関する条例」を制定・改廃しようとするときは、地方公務員法第5条第2項に基づき、各区議会において、人事委員会の意見を聞かなければならないとされている。

また、各特別区における「職員に関する条例」又はこれらに基づく人事委員会規則の適用に際して、あらかじめ人事委員会の承認を得、又は人事委員会と協議するものとされている事項がある。

これらについて、本委員会が処理した過去5年間の案件数は次のとおりである。

処理案件数

(単位:件)

項目

平成28年度

平成29年度

平成30年度

令和元年度

令和2年度

意見聴取

320

472

224

847

357

承認事項

853

842

248

918

465

協議事項

10

83

67

103

48

1,183

1,397

539

1,868

870

この記事に関するお問い合わせ先

所属課室:特別区人事委員会事務局公平課庶務担当

東京都千代田区飯田橋3-5-1

電話番号:03-5210-9804

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